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思込みのつおい指向性ある不定期ブログです。(^^v

台風

先の台風による水害

いざ自分の身の回りに起きると
目の前の「泥だらけ」の意味が自分事として理解できない
いつも災害はテレビに写る画面の向こうの話だった・・・

我が家など ほんの少し泥を被っただけなのにこのザマです。

水というのは凄い 僅か40cmで動けなくなる

台風の当日 夜8時目の前の田川を見ると ほぼ堤防てっぺんと同じ高さまで水が来ていた。流れは速く 対岸には大きなウネリも見えた。
「避難」妻の一声で一斉に動き出す。妻と娘は先に車で出る。私と息子は一階の床の上の小物家電を高い所に乗せブレーカーを落として 8時20分 車で実家に向かう。既に道の上を音もなく川の水が流れている・・・。
この時点でJR宇都宮の宮ノ橋前後は冠水 千波橋付近も・・とちぎテレビでの情報を頼りに低い処を避けて避難コースを選択実家に向かう。


翌日 明るくなると同時に自宅に向かう 一部通行止め 泥だらけの道 不安になる
遠目に見た家は無事そうだ 泥(殆ど川砂)の堆積した道を乗り越え家に入る。
幸い 電気水道はOKだった エアコンはOKだったが直置きの給湯器はエラーを表示している 2日後メーカーさんが見に来たと聞き ブレーカーを上げてみると 正常に作動してくれた。お風呂に浸かり水電気温水のありがたさを痛感!
ところが 翌日 再びエラー表示! 聞けばメーカーさんが来て「全損」の通告をしていったそうな・・・お前はロウソクだったのか?最後の奉公に感謝。


物置の中は殆どが泥だらけ 外見だけかと思えば
こんなところまで水が・・・いや 泥が・・・

断捨離・・・私がやると 何でも懐かしい っと言って片付かないので 妻と長女がガンガン振り分け そばでオロオロしている私に「あんたは 軽トラ借りてきて!」と トホホ・・・

軽トラックに出された物を積み 市の指定瓦礫置場へ
道中至る所で道が泥だらけになっている田川なのかその支線なのかが溢れたのだろう。

仮置き場となっているそこには 既に大きな山がいくつも・・

その山の一つに積まれた冷蔵庫にはキャラクターのシールがいくつも貼ってあった。
きっと その家の子供が貼ったのであろうことは容易に想像できる。

突然の災害で時間が止まってしまった・・・いや そこで時間を切られてしまった・・

そこに積まれているモノは 人々の生活の思い出も貼り付いているのである。

一緒に来た次女がそれらを見てウルウルするのもわからんでもない・・・


しかし、市の職員さんも業者さんも悪臭を放つその思い出の山々と戦わなければならない。我が家ですら この5日間に軽トラ山盛り2つ出した。被災の大きい処は 今だ運びきれない保の元家財達が家の内外に積まれていると聞く よって この戦いはまだまだ始まったばかりなのかもしれない・・・どんなに思い出多き元家財達でも 彼らにとっては危険極まりない非日常の戦いになっているのかと思うと何か切ない。


我が家は遠方より子供達が来てくれて道の泥まできれいにしてくれ ほぼ通常に戻った。   本当にありがたい限りだ。


近所では 長年住んだそこから引っ越してゆく家族もいる 床上浸水ですでに悪臭が漂っているそうだ。築年数の古いこの家屋は 多分、床を剥がして泥をかき出し消毒して 床も壁も張替 台所、浴槽 もしかするとトイレも・・・結構な金額がかかりそうなのは傍目から見ても明白だ。が、知り合いが去るのは寂しいものだ・・・。


我が家の周りは あくまでも 水が溢れた程度のものだ。
TVで見るような「決壊」や「土石流」の様な激しい破壊ではない。
もし、その様な立場になったら その心情や如何に 日々の心労は計り知れないと思う。  

亡くなった方のご冥福と 被災された方々の少しでも早く通常の日常に戻れることを願うばかりです。